みがわりロボの登場がサイドレースという考え方について与えた影響とは何か。今日はそれについて考えてみます。
サイドレースとその効率
サイドレースとは「いかにサイドを与えずにサイドを引くか」という競争のことを指す用語です。殴り合い至上主義が顕著な現行レギュレーションにおける第一関心事と言ってよいかもしれません。
HPと攻撃力の両方が高いポケモンEXや、通常(=非EX)ポケモンでありながら攻撃力の高いものは、サイドレース効率が良いと言えます。
HPと攻撃力の両方が高いポケモンEXや、通常(=非EX)ポケモンでありながら攻撃力の高いものは、サイドレース効率が良いと言えます。
デッキ分類ごとのサイドレース効率
どのような特徴を持つデッキならサイドレース効率が良いのでしょうか? 今回は現行のデッキを2つの軸からなる4つのタイプに分類し、比較してみます。軸はそれぞれ、
実際、このコンボで主にA群の「HPは低いが大ダメージを出す」ポケモンの長所を封殺し、ソーナンスやシンボラーといったサブプランによりC,D群への耐性を付けたナンスゲンガーは、早くも東西の私営大会で好成績を収めています。
- 自分のバトル場にEXを残すかどうか
- 相手のEX1匹を倒すのに要する攻撃回数が1か2か
BW-XY3での前提 | ||
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前提1 | 通常を前に出す>EXを前に出す | |
前提2 | EXワンパン>EXツーパン | |
デッキ分類図 | ||
仮称 | 分類 | 具体例 |
A | 「通常を前に出す」 「EXワンパン」 | パルキア'13、キュレム、タママニュ、ブースター |
B | 「通常を前に出す」 「EXツーパン」 | アギルダー、ドンファン、フライゴン、カエンジシ |
C | 「EXを前に出す」 「EXワンパン」 | レックビール、カメケル、イベルタル |
D | 「EXを前に出す」 「EXツーパン」 | ビリゲノ、フレフワン、ホウオウ |
前提を元に上図4群のサイドレース効率を比較すると、A>B≧C>Dです。要するに、EXより通常、ツーパンよりワンパンが偉い、ということです。
一見不利なD群で生き残るデッキの多くは、様々な形でこの前提を克服する手段を備えています。具体的にはGブースターを使う、弱点を突く、エネを共有する、回復する、ベンチを狙う等。また、「フラダリによってベンチのEXを引きずり出す」「非EX退治には非EXを使う」等も、C,D群がA,B群に対して追い上げるために有効な手段となります。
一般に言う「強いデッキ」というのは、サイドレース効率がそもそも良いか、コンセプト上の効率を改善するカードが多く含まれている場合がほとんどです。
一般に言う「強いデッキ」というのは、サイドレース効率がそもそも良いか、コンセプト上の効率を改善するカードが多く含まれている場合がほとんどです。
みがわりロボの革新
XY4発売以後、みがわりロボの登場により、A~Dのいずれにも属さないデッキが生まれました。つまり、「ロボを前に出す」「EXツーパン」のデッキです。前提1は更新され、次のようになりました。
- ロボを前に出す>通常を前に出す>EXを前に出す
ロボは気絶してもサイドを与えない代わりに、ワザを持たず、自身でサイドを引くことができません。従って、「殴って引っ込む」系のデッキや、M進化により「EXワンパン」ポケモンを作り出す場合の壁役に適しています。これらのギミックの台頭が、XY4発売を受けての大きな環境変化であると考えます。
実際、このコンボで主にA群の「HPは低いが大ダメージを出す」ポケモンの長所を封殺し、ソーナンスやシンボラーといったサブプランによりC,D群への耐性を付けたナンスゲンガーは、早くも東西の私営大会で好成績を収めています。
参考:
- 関西ネクストジェネレーションズカップ(http://kansaigene.diarynote.jp/201409211956126076/)
- おーす!みらいのチャンピオン!杯(http://miraichamp.diarynote.jp/201409232349158075/)
ロボ対策
みがわりロボへの対策として、まずはフラダリが挙げられます。持続性は低いものの、EXワンパンのデッキが一時的な突破口を得るには手軽なカードです。しかし、EXツーパンのデッキでは基本的にこれが不十分で、呼び出したアタッカーの弱点を突く、ワザ以外でロボを壊す、ロボを壊したポケモンを倒されない等の工夫が追加で必要です。
もちろん、全てのトーナメントで常にロボを相手にするとは限りませんが、サイドレース効率における自勢力の上位存在にどう立ち向かうか? という不変の課題に対して、新たなアプローチが求められていることは確かです。
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